白いTシャツは、夏だけのものではありません。ジャケットのインナーに、ニットの重ね着にと、秋冬だって活躍します。
そんな通年アイテム白Tの唯一の欠点は、汚れが目立つこと。せっかくの白なのに、汚れたまま着たくないですよね。そこで今回は、誰のクローゼットにもある定番アイテムなのに、「洗いにくい」と思われがちな白Tの洗濯方法について、年間250日、白Tを着ているプロが直伝します。
こだわりTシャツ通販ショップ「10OZ」の店長をしています。白Tシャツを定番スタイルにして、はや6年。毎年5月ゴールデンウイークから10月末くらいまでは、Tシャツを着て過ごしています。
まずTシャツの汚れの種類と、原因を考えてみましょう。
・黄ばみ・・・皮脂汚れ
・黒ずみ・・・皮脂汚れ
・脇・・・汗による汚れ
・油分を含むシミ・・・カレーや化粧品などの汚れ
・水溶性のシミ・・・お茶やワインなど、飲みこぼしでつく汚れ
・不溶性のシミ・・・泥など、遊びやアウトドアでつく汚れ
主に「身体から出る皮脂や汗」による汚れと、「調味料や泥」による汚れに大別できます。
ただしすべての汚れに共通することあります。それは、とにかく早く対処すること。白Tの繊維に汚れが定着してしまう前、一秒でも早く洗うことが大切です。
特に皮脂や汗の汚れは、そのときは目に見えなくても、ジワジワと定着してしまいます。今日は汗をかいた、という日は油断せずに早めに洗濯することをおすすめします。
ここからは、毎日の皮脂汚れではなく、ピンポイントで付いてしまったシミの「原因別対処法」をカンタンにご紹介しましょう。
食べ物やドリンクでシミをつくってしまった場合は、洗濯用の液体洗剤の出番です。
シミに直接、洗剤の原液をゆっくり付けていきます。裏側にはタオルやハンカチを置いておきましょう。原液が生地に染み込んだら、丸めたタオルなどでポンポンをシミを叩きます。生地が伸びないよう、つまみ洗い程度にしてくださいね。シミが裏に敷いたタオルにだいたい移ったら、一部分だけを洗い流すつもりで、多めの水でシミ周辺を濡らし、シミが消えたら乾燥させます。
ちなみに、口紅やファンデーションなどのメイク用品は、洗剤ではなく「クレンジングオイル」の使用もおすすめです。メイク用品を落とすには、クレンジング。よく考えたら当たり前ですよね。外出先での汚れには、コンビニで買えるメイクオフシートも活用できますよ。
スポーツやアウトドアの趣味がある方や、元気な子どもさんがいる仮定では、泥のシミも悩みの種ではないでしょうか。
泥のシミは、繊維に入り込んだ細かい土を早く落とす必要がありますが、すぐに洗ってはいけません。まずはTシャツを乾燥させ、表面についた土を取り除きます。洗うときは、液体洗剤ではなく固形石鹸がおすすめ。泥のシミのついた部分を水で濡らし、固形石鹸をこすりつけていきましょう。
そのあとは歯ブラシなどを使い、土をかきだすように小さい動きでこすっていきます。ざっくり汚れが取れたら、一度ぬるま湯で洗い流したあとにいつも通りの洗濯をしてください。
ここまでは、一般的なTシャツのお話でした。やはり「白」という色の特徴もあり、繊細に洗う必要もありそうです。ではここからは、通常のTシャツより生地の厚い、10OZの商品の洗い方についてをお話します。
どんなシミであっても、思い切って擦り洗いしてください。ブラシ、タワシなどを使っても、生地が強いので問題なし!柔らかいTシャツと違って、伸びません。
一般的な衣服ではやっていけない「ブラシでごしごし」も、10OZのTシャツならダメージゼロ。かえってこなれ感が出て、いい味も生まれます。
豪快に汚して豪快に洗える、それが10OZの白T。
まさに、「いつまでも清潔感をキープしたまま着続けられる」という理想を体現した商品なのです!
標準は洗濯洗剤ですが、ピンポイントなシミにおすすめなのは、ウタマロの固形洗剤です。固形洗剤を生地に擦りつけ、ブラシでごしごししてOKです。
油汚れには食器洗剤を使用します。食器洗剤は油を浮かす効果が強いため、食べこぼしなどの油汚れにピッタリです。これまたブラシでごしごしOK!
コーヒーなどの着色汚れには塩素系ハイターを使用しましょう。シミ部分にのみかけるのがコツです。全体的に漬け置きをしてしまうと、くすみ感が出てしまう可能性もあります。
ただし、先日試した「還元型ハイター」は、くすみに効果がありそうで注目しています。
還元型の漂白剤は、酵素系や塩素系ではなかなか落ちない鉄分を含む汚れに効果的です。白い服の「黄ばみ」は、鉄分が酸化することによっておきているケースも多いですから、理にかなっています。洗濯するときに他の衣類から色移りしてしまったTシャツの漂白にも効果的ですよ!
というわけで使ってみたところ、劇的に白く戻せるとまではいきませんが、定期的に使用することで明るい白をキープできそうだな…と考えてます。 ハイター系の洗浄は生地が痛むため、あまりおすすめできませんが、生地が丈夫な10OZならではの洗濯方法です。
ちなみに還元型ハイターは、白い無地の衣類にのみ使用可。
ここ気を付けてくださいね。
Tシャツのメンテナンスには、乾燥も重要です。
一般的なTシャツも、10OZのTシャツも、絶対にダメなのは乾燥機です!ひどく縮むため、絶対に使ってはいけませんよ。生地が分厚いTシャツほど、脇部分の乾きが悪くなる傾向があります。
10OZに限っては、生地が変わるごとにいろいろメンテナンス方法を試していますが、2021年度の商品もやはり縮んでしまいましたね。着丈がかなり縮むので、面倒でも天日干しをお願いします。
干すときのおすすめは、伸縮機能のあるハンガーを使うこと。
乾きが悪いのを回避し、型崩れも防ぎます。
毎日Tシャツを着ているということは、毎日洗濯をしているということです。正直、自分がこんなにTシャツを洗う人生を送るなんて思ってもいませんでした。でもTシャツを愛する身として、清潔感をキープしたまま、長く着る工夫を続けたいと考えています。そのためにも試行錯誤中!
あなたも、洗っても洗っても丈夫で味の出る、10OZのTシャツを一度着てみませんか?
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